unique letter / seui

[seui]Dear うみさん / RAND


RAND studio / 体験 / うみさん / 2020.12.3


◇◇◇



 うみさん、先日はありがとうございました。

 約1年振りでしたね。そして改めて、最初にお会いした時にRANDをご紹介下さりありがとうございました。当時の私にとって、目の前のセラピストさんが、他のセラピストさんをご紹介して下さるなんていう流れは、あまりにも衝撃的なものでした。たまたまなのかもしれませんが、それまでそうした経験が無かったものでしたから。ただね、不思議なんです。その後からは、特に尋ねてもいないのにお勧めの方をご紹介下さる方も多くて驚いています。あれは何かの呪文だったのでしょうかね。なので今ではメンエスってそういう世界なのかなぁって思っています。

 「また来てね」、よりも「〇〇さんとても素敵だから受けてきてね」の方が、大切な宝物みたいなものをお裾分けするような感じですよね。言わずもがなその先々の方も素敵で、さらにまたお勧めして下さるものですから、近頃は可笑しくなってしまうのです。もはや「お勧めの輪」です。私がなぜリピーターにならないのか、実はその大きな理由は、ここにある気がします。

◇◇◇


「1/f」

あなたはそのゆらぎを与えて下さる方でした。

 私はね、残念ながらゆりかごの時代の記憶は無いのです。昔の写真、まだモノクロ混じるアルバムで、まだモモクロだったら良かったのになぁなどと冗談も言えない歳なものですが、少し褪せていて、開こうとすると地味にノリがはりついて、無理に剥がそうとしたら取り返しのつかなくなるような、あの頃の写真を見返したら、あぁ、こんな感じだったんだなぁと、自分なのにまるで他人のような視線を向ける、でも愛でる、そういう確かな愛情が湧き上がる、そんな風なあの頃の記憶、自分では思い出す事が出来ないのです。

でもね、あなたはそれを思い出させて下さいました。

 絶え間なくゆらゆらとゆらめく胴体と、喉の奥からなのか、腹の底からなのか、いやきっとそんな機能的な出先ではなく、何かがあなたに降りてきたように母性溢れて添えられる、その可愛らしくて真っ直ぐなのに穏やかな声と、いわゆるもち肌などでは到底表現しきれない生々しく瑞々しい温かな肌感触は、私を記憶の奥のゆりかごの中へと誘って下さいました。

◇◇◇

初めて、施術中に、終始お話をしましたよ。

 どんなに振り返って記憶を絞り出しても、初めてでした。なぜなのか。自分でも良く分かりません。たわいもなかった様ですし、大切なお話もあったようですし、分かりません。そうしてまた、自分があの頃のゆりかごに戻ってゆく、今この瞬間その中で揺らされているような、そんな心地になるのです。とても心地良いのです。

何よりも、安心でした。そして、幸福でした。

 ゆらゆら、ゆらゆら、ゆらゆらと。今綴りながら気が付きました。私はきっとあなたの声を聴いていたかったのかもしれません。生まれたての私が母に愛情を注がれて抱きしめられていた記憶の前の世界に、あなたの声が、私の体を、脳を、ゆらゆらとゆらして誘ってくれていたように思えます。

◇◇◇

お洒落なあなたは、RANDのインテリアスタイリストなのですね。

 音楽好きなあなたが、部屋に飾ったクリスマスソングのアンティーク楽譜。もはやRANDのインテリア担当である事は存じておりますよ。セピア色の紙に、というよりも時の経年変化で色付いたのかな、その紙面に印刷された譜面は黄金色の凸版。温かな暖色に膨らみを帯びて流れていましたね。正面よりも横から眺めるとその盛り上がりと流線型はよりはっきりと浮かび上がり、その先にあなたの顔が見えました。金の譜面はささやかに品良くキラキラとしていました。

 照明を加減してその様子を見せて下さるあなたの人懐っこい表情が、施術中にも幾重にも織りなされていた事でしょう。私は目を瞑っているものですから、自分で選んでいるとは言え、残念ながらそれをほとんど拝見する事はございませんでしてけれど、今こうして目の当たりにする事で、記憶の感覚達と共鳴するものです。きっとあなたの肢体も、そんな風に美しいものなのでしょうね。

無意識に、楽しさ、誘う。そんな方なのでしょうね。

 あぁ、シャワー後の施術前に少しだけ拝見しましたね。小柄で細身でありながら女性らしい柔らかな曲線を称えたあなたの衣装のクリスマスカラーが印象的でした。あなたはたまたまだと仰っていましたが、とても嬉しかったです。たとえ偶然だったにせよ、そんな偶然に出逢えるという非日常的感覚を、きっとあなたの無意識は演出できる方なのでしょう。とてもお似合いで、とてもキュートで、良い師走の始まりだなぁなどと思いながら、そんな気持ちで目を閉じました。

 譜面って不思議ですよね。黙っているのに奏でている。誰かに読んでもらわないと、演奏してもらわないと、それは単なる無音のインク。あなたはそれを楽しそうに読んで下さった。鼻歌のように楽しそうに奏でて下さった。聖なる歌声でした。施術後のゆらめいた脳に囁くあのクリスマスソングを真横で聴いてごらんなさい。もはや自分が聖人なのかと錯覚してしまいますよ。せめて素敵な声ですねとお伝えしたかった私がいましたが、そんなの柄でもないですし、せっかくの雰囲気が壊れてしまいそうでもあり、恥ずかしくて伝えられませんでした。ずっと歌っていて欲しくなってしまっていましたよ。きっとあなたが触れる誰もがそうなる事でしょう。今ちょっとロマンチックな事を言ったつもりです。

◇◇◇

メンエスって、こんなのも楽しくないかなぁ~?

はい。楽しいです。

 終始、メンエスの定型文がありませんでしたね。厳密にはいくつかありましたけれど、そういうのあんまり気にしなくていいんじゃないかな、メンエスの楽しさって、的なうみさんワールドに溢れていました。この点はRANDの皆さんに共通するものだと思いますね。うーん、ちょっと違いますかね。うみさんはそんな事をこれっぽっちも考えていらっしゃらないような気がします。無意識に母性に溢れたあまりにも純粋な触れ合いに感じてしまいました。透明度が高過ぎて、純度が高すぎて、捉えられるものが私には限られてしまうのが、とても残念で、申し訳ないところです。

 それでも特筆すべき感動は、体位を変える時、というか、変える、といった節目的な概念を一切感じ得なかった事です。あれをどう表現すればいいものか。いつもあなたはそうした案内的な要素は何も仰らずに、ただお喋りしながら流れを止めずに流れに赴くままに、赤子を気持ち良い方へ誘うように(そう感じました)、何事をも肌と肌の狭間で導いて下さっていました。挟まれる腕や脚、握られる掌、もたれかかられる胴体、触れて撫でられてまとわりつかれる尻、抱き抱えられる腰や胸、寄せられる頬や髪の毛。もう聖なるお導きでした。穏やかな安定体位も、具体的に表現するには憚る体位も、いつの間にかそうなっていたのです。きっとユーザーの皆さんは何言ってるのか分からないと思いますけれど、そんなご経験、ありますか?うまく説明しろ?ごめんなさい。無理。あ、唯一、仕舞いの向き合いながらの対面式の変則的なマーメイドの時には声をかけられましたね。「こっちを向いて」、と。これについては一つ。次回は可愛らしさ禁止の御触書とかきちんと読んどいて下さい。どうして良いか分からなくなりました。ただでさえ目を閉じてスウィート攻撃を防御しているのに、それを無視して今度は声がとっても甘~くなるとか違反です。一発免停レベルでしょう。とりわけ年末のメンエス業界はその辺りの規制を厳しく取り締まって頂きたいものです。

◇◇◇

ふわふわ、トロトロ、ぴっとり。

 感覚的なあなたは、感覚的な私に、感覚をふんだんに与えて下さいました。何かについて「どうして?」と尋ねると、「え、分からない笑。」こんな会話も多かった気がします。こうしたら気持ち良いよね、こうしてる方が気持ち良いじゃん、こうしたら楽しいの知ってるよ、そんな想いが自然と湧いてそれを施術に反映させて、そこのディテールがあまりにも細かくて、細か過ぎて、行き渡り過ぎて、痒いところがどこにもなくて、だから嬉しくて、そしてどこまでも純粋に抱きしめて下さいました。例えば足の先、爪先まで、常にぺっとりくっついているんです。どんな体位になっていても、甘えん坊なつま先がは、いつもぴょこんとどこかにくっついているんです。それで何気なくこちらをよしよししてるんです。もう一つはお尻の気持ち良さ。何かというとところかしこに乗っかったり寄せてきては、ゆらゆらしてましたね。お尻って肌面積が大きくて密着度も高まりますし、加えてあんなに無垢に楽しそうにされたらこちらはトロトロするしかありませんでした。そんな風にして、どこか甘えられているようで、だから何だか包んであげたくなって、でも包まれていましたよ。

 私は完全に撫でられてる猫みたいでした。猫ってこんな感じなのかなぁと、羨ましくなりました。今度からメンエス行く時は猫になろ。おじさまと猫的な感じなら出禁にはならなさそうですよね。むしろもっと可愛がって下さるような気がします。そんなアホな妄想をはばからずにしてしまう自分がここにいます。ちょっと鼻で笑ってるあなた、きっとあなたもそうなりますからね。むしろこんな妄想を暖かく見守って下さい。そうして下さったら安心してステイ妄想出来ますので、どうぞよろしくお願いいたします。

◇◇◇

あなたの胴体のゆらめきに

感覚的にゆらめきました

そして心も体も密着されて

なんだか不思議な浄化に誘われました

 そういえば悪戯的なものはあったでしょうか。不思議なんです。メンエスって悪戯の醍醐味みたいなところがあると思うのですが、そうしたものが下品にすら思えてしまったんです。あまりにもピュアすぎて、求める隙も無く、必要性も無く、十分過ぎるほどに満たされてゆきました。聖域とでも申しましょうか。ここで大事だなと思うのは、それでもどこまでもメンエスだなぁと感じた事です。得てしてクリーンな施術、健全すぎる施術、システマチックな施術、そうしたスタイルだとメンエスでは物足りなさが残ってしまいます。それを満たす様に、取り繕う様に、辛み効かせた傾向に進むスタイルも一部ではあるでしょう。それも一興。そういうのではないのになんでこんな心地良いのか、それってやはりあの母性からくる豊かな密着度とゆらゆらと響き渡る聖なる声、それに反するように折々顔を出す甘えん坊な所作、それだったんじゃないかと思います。いかなる男性もメロメロではないでしょうか。あなただから与えてくれる、あなたにしか出来ない、あなたの世界観で充足された親愛なるメンエスに、願わくは永遠に浸らせて頂きたかったです。

 あなたは無意識なのでしょうけれど、体のあらゆる部位を用いて、常に私の体全体を包みながら、寄り添いながら、ゆらゆらと、ゆらゆらと。ひつこいですが、あのゆらゆらが心地良過ぎてまた書きながらゆらゆらしたくなっています。I miss Yura Yura. 人の数ほどスタイルがあって、さらにその受け止め方があって、正直どんな風に言葉に出来るのか、つい分かりませんって言ってしまいましたよね。

 うみさんの施術って、ちょっと変な涙がこぼれそうでした。変なっていうのは、そこそこ歳を重ねてきた時に、どこかに置いてきてしまったものを取り戻す様な、改めて向き合いたくなる様な、懐かしくて愛おしくなるような、浄化でもされている様な、そんな涙です。いや完璧に浄化されていました。余計な重いものが解けて溶けて代わりに安心が芽生えるような。なぜ、何年も通われるお客様がいらっしゃるのか、なぜ頻繁ではなくても年に数度訪れたくなるのか、それを理解出来ない理由がどこにも見当たりませんでした。あなたがなぜ天使と表現されるのかもよくわかりました。甘えられて、包んでくれて、私はゆりかごの中のおっさんでした。赤子がえりをしていました。安心して大丈夫だよ。何にも心配しないで眠って良いよ。いつでもあなたの味方だよ。そんな懐かしい、ちょっと甘やかしたような、愛情に溢れる、母声、が甦ってくるようでした。こうして綴りながらも、少し潤んできてしまいましたよ。

 最後の最後に膝枕をして下さいましたね。頬をしっかりのせて、顔がお腹にくっつくように、そうしてぎゅうっとハグをさせて下さいました。あなたはまた脚やつま先の方で甘えていました。包まれて、甘えられて、包ませてくれて。肌と肌の触れ合いは、心を解して溶かします。そうすれば脳も自ずと追随して習います。そうすれば自ずと体も筋肉も緩んで解れるものです。あなたはそんな何よりも難しい解しの技術を無意識にしてしまえる方なのでしょう。だからこそ、さらに浄化まで導いて下さった。こんな深淵に辿り着ける機会は滅多にありません。恐らく初めてです。メンエスは、セラピさんに委ねるのが基本でしょう。ただそれでは一方通行なので、実は物足りないし、もしかしたら成立しない。うみさんはこれまた無意識なのかもしれませんが、まず私の心にすうっと入られた。そうして心の中へとゆらゆらと溶け込んできては浸透させて、話をしながらいつの間にか双方向を創って高めて下さった。メンエスの素晴らしさを改めて感じましたし、あの日のあなたに感謝せずにはいられません。

 うみさん、重ねて、有難うございました。

 また、RANDさんとのご縁を繋いで下さり、有難うございました。

 次回は猫になって参ります。それと、あなたはまたこう仰いましたね。「〇〇さん、とっても素敵だから良かったら受けてみて。」あの日と変わらぬうみさんの心に、最後まで癒されました。次回もまた、そんなご報告かねがね伺わせて頂きますね。そして、ゆらゆらと聖なる子守唄を聴かせて下さるのを楽しみにしております。

◇◇◇

追伸

 最後に出してくださったハーブティー。名前を忘れてしまいました。アホですね。少し薬草がかった香りが大人びていて、柑橘の甘さがそれを受け入れやすくしてくれて、とても美味しかったです。ご馳走様でした。

おすすめ